トレイルタイヤの新スタンダード

IRC VE33s GEKKOTAは、小誌 No.216でも書きましたが、とてもバランスが良い性能で、同社IRCのiX09W GEKKOTAが作ったとも言える、ガミータイヤの「特殊な用途のためのアイテム」というイメージを自ら払拭するものになっていると思います。

ラリーのようなハイスピードライディング、モトクロスやJECのトップライダーのようなスピードのためには選ばれないと思いますが、それ以外であれば、ハードエンデューロだけではなく、JECにもJNCCにも、好んで使われるタイヤになるでしょう。公道用のタイヤではないですが、一般的なトレイルライディングにはとても向いていると思います。

まだ充分に磨耗するまで乗っていませんが、磨耗しても極端に性能が落ちないというガミータイヤの特徴から、現実的なライフの長さも普段使いに向いているでしょう。レースの専門家ではない一般のライダーは、ある程度減った状態で長く乗りますから、ここが重要です。

XPC勝沼で、何人かのライダーにVE33s GEKKOTAの感想を聞きましたが、いろいろな路面でグリップ力が良いだけではなく「扱いやすい」という声を多く聞きました。iX09W GEKKOTAより剛性が高く、パワーを駆けた瞬間から前に出る感じが好ましい。「たぶん、今後はこのタイヤでほぼすべてのレースをカバーできる(岡庭大輔さん)」という人もいましたが、同意見です。

VE33s GEKKOTAのような性格のタイヤは、現在はガミータイヤと呼ばれることが多いですが、今後は、一種のスタンダードになっていくでしょう。グリップの良さと実際的なライフの長さが両立しているという点、カスタマーの要求を満たすこれ以上のものはなかなかありません。トレイルタイヤの新たなスタンダードとも言えるでしょう。