350の存在理由 – 消えることがない系譜


Husqvarna FE350 MY2018

250は常識か?

 4ストロークエンジンを搭載したエンデューロバイクを選ぶ時、250ccクラスのモデルを検討するのと同時に、350ccモデルを選択肢に入れたことがあるライダーは少なくないと思う。が、あまり長い時間悩まずに250ccを選んだ、というライダーもまた少なくないのではないだろうか。日本では、車検制度の関係で、250クラスと350クラスの間には一種のボーダーラインが存在している。250なら車検がなくて、自賠責をかけるだけでナンバーを取得したストリートリーガルのバイクになるのだが、350ccの場合は、車検を受けなければならない。つまり余分なお金がかかってしまうからだ。

 これは大きな問題…なのだろうか、本当に。

平成19年の規制緩和

 ぼくは、これまでKTM450EXCRに始まり、525EXCRやHusqvarnaのTE449、そう、KTM690ENDURO-Rはちょっとポジションが異なるが…、いわゆる車検が必要なエンデューロバイクとつきあってきたが、それが特別大きな負担であると感じたことはない。もちろん、多少のお金もかからないにこしたことはないのだが、だからといって、それによってバイクの選択肢を狭める必要はないだろうと考えている。いや、おそらく、多くの人がそうではないかと思う。
 平成19年に、バイクも新車の場合には最初の車検の有効期間が3年間に延長されて負担感が大きく減少したこともあって、新車導入時、350や450モデルを選ぶ際のハードルは随分下がったようだ。

世界中のファンが
中間排気量を支持してきた

 少し以前に戻って見ると、KTMには400EXCRという中間排気量モデルが長く存在していた。250ccのほかに、450も525(510cc)もあったのだが、400ccもラインナップしていたのだ。450もあるのに、なんで400ccが…と不思議に思う人が多かったのだが、この中間排気量モデルが長く存在していた理由は、絶妙といえるバランスの良さだ。250ccには無いリッチなトルク、500ccに迫るスピード、それに扱いやすさが同居する。回転マスの小さなエンジンは、軽快なハンドリングをもたらす。トップレベルのコンペティションにおいては、排気量クラスの関係で、250、450、500が選ばれ、当然活躍するわけだが、400は、そうしたこととは無関係に絶大な支持を受け続けていたのだ。
 KTMの400エンデューロモデルは、その後、DOHCエンジンの開発とともに姿を消すのだが、しかし中間的排気量のモデルは、今度は350ccモデルとして継続される。ここで紹介しているHusqvarna FE350は、直接的にはその350モデルの系譜に位置づけることができる。
 知って置きたいのは、400同様に、この350も、コンペティションの排気量クラスには存在していないということだ。250でも、450でもない。バランスの良さを追い求めた結果、どうしても存在しなければならないものとし認められたもの。
 350の価値は、他では実現できないウェルバランスにあるのだ。

幸福のパワーソース

 250ももちろんいい。特に、エンジンの回転マスの小ささがもたらす、コーナリングの軽快さは最大の美点であると言える。だがある程度慣れてくると、パワーに物足りなさを感じてくるライダーも少なくない。コースでの走行や、レースでの使用だけではない、いろいろなシチュエーションでライディングを楽しむライダーには、350のパワーは「幸福の源」になるだろう。
 どんな回転域からでも自在に引き出せるパワーは、しかし決して大きすぎない。本当にちょうどいいパワーだ。
 実際の重量に、250と350の違いはない。オーナーになってしまえば、350を重いと感じるライダーはまずいないだろう。

 なぜ350という排気量のモデルが存在するのか、ということを考えてみた時、のっぴきならない「存在理由」とその魅力が見えてくる。250を考えているライダーは、ぜひ、こちらも選択肢に入れてみて欲しい。



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